大東カカオ「カカオマス」の感想
大東カカオ「カカオマス」の感想です。
パッケージにある「TOMIZ」は、富澤商店のショップ名で、通販サイト名でもあります。
「TOMIZ」に関しては、下記リンク先にて。
大東カカオのカカオマス
パッケージに、『(大東カカオ)アフリカ、東南アジア原産のカカオ豆を日本で加工しています』とある通り、これは大東カカオのカカオマスです。
カカオマスは、カカオ豆を砕いて皮を取り除いて「カカオニブ」にした後、炒ってすり潰したもの。
カカオマスを圧搾すると、ココアケーキとココアバターに分離するので、用途に合わせて各々を用います。詳しくは下記リンク先にて。
カカオマスの表面と感想
コインタイプなので、丸くて薄い。袋の中で、カチャカチャ音がします。
袋にはチャックが付いているので、必要な量だけ取り出して、残りを保存しておきやすいですね。
味は、ひたすら苦いです。
口どけこそチョコレートですが、カカオマス以外 何も入っていないので、どこまでも苦味だけを味わえます。
もちろん、カカオ・ポリフェノールの苦味です。渋味に近いかも。
料理に使えば、苦味のアクセントになるでしょう。身内は、ワインのお供に最適と言っていましたが。
カカオマスの切断面と裏側
袋の中で割ったのが、上の写真です。
たまたまですが、丸い空洞が見えますね。気泡が入ることもあるんでしょう。
思っていたよりも碁石っぽいので、囲碁をしている人の近くに置くのは避けた方がいいかも。間違って、碁盤の上に置かれるかもしれません。
冗談です。裏側が平らなので、平気。
大東カカオと日本のチョコレート
1940年になると、戦争の影響でカカオ豆の輸入がストップします。とはいえ、指定された業者は対象外で、そこは軍ルートでカカオが配給され、ココアバターから解熱剤や座薬が作られました。
のちに大東カカオの社長となる竹内政治さんが経営する竹内商店では、チョコレートにカフェインを混ぜたものを「居眠り防止食」として作ることに。
自分のサイトから引用するのも妙ですが、チョコレートを調べるうちに上記のことを知り、大東カカオが気になるように……。
1924年創業で、日本で初めて「原料カカオ豆から製品までの製造ライン」を完成させた会社。
そこの“味”を体験してみたかったのです。
チョコレートの原材料であるカカオマスを製造しているところなので、ここの味が他の商品にも影響しているはず……。
そう思うと、このカカオマスの苦味も、楽しくなってきます。
まぁ、原材料名でしか見ないカカオマスを食べてみたい欲求も、少なからずありましたけど。
それはそうと、親会社は日清オイリオグループなんですね。
チョコレートは、温度が大事
この後、カカオマスを溶かして固める話をしますが、その前に使用した温度計の解説を少し。
「チョコレートは、温度が大事」と知ったので、テンパリング用に温度計を買いました。それがドリテックの「お知らせアラーム付クッキング温度計(O-263WT)」です。
料理用の温度計は、先端の尖がりが危ないなぁ~と思ったので、そこをカバーして保管できるものを選びました。
テンパリングの温度に関しては、下記リンク先て詳しく書いています。
今回、基準とする温度は次の通り。
- 1. 50℃まで温めて溶かす
- 2. 25~26℃まで冷ます(Ⅳ型結晶の生成)
- 3. 30~31℃まで再加熱(Ⅴ型結晶の生成)
- 4. 30~31℃を数分間維持
- 5. 10℃程度まで下げる
- 6. 15℃前後の保存温度に設定
ちなみに、JIS規格によれば、冷蔵室の温度は+4℃以下。野菜室は、+12℃以下。
冷蔵室 +4℃以下
クッキング温度計
電源を入れて測りたいものに突っ込めば、温度は測れます。
ただ、徐々に温度が上がっていく感じなので、入れてすぐにパッと出ると思っちゃダメ。
指定した温度になると、アラームが鳴るようにセットできるみたいですが、今のところ未使用な機能です。
チョコレートの分量
使用したのは、大東カカオのカカオマスと、ヴァローナ社のチョコレートです。
分量としては、カカオマス20個か、カカオマス10個+ヴァローナ社のチョコレート1個。
グラム数
左から順に、ガラス容器76.7g、カカオマス10個を入れたガラス容器90.4g、ヴァローナ社のチョコレート1個を入れたガラス容器80.6gです。
ガラス容器の重さ76.7gを引けば、チョコレートの重さが出ます。
カカオマス10個は、13.7g。
ヴァローナ社のチョコレート1個は、3.9g。
使用したヴァローナ社のチョコレートは、製菓用の「ヴァローナ フェーブ カラク」と「ヴァローナ フェーブ アラグアニ」ですが、両者に重さの差はなかったはず。
チョコレートを溶かして固める
専用のマシンがないので、用いた手法は 湯せん。
沸騰したお湯の中にガラス容器を入れ、目標値である50℃を目指しました。
大東カカオのカカオマスは、溶けるのが早かった印象があります。
それに比べ、ヴァローナ社のチョコレートは遅かったですね。単純に、1個が大きいこともあるんでしょうけど。
とはいえ、見た目は溶けてなさそうでも、少しでも触れると形が崩れるくらい、柔らかくなっていました。
3タイプ用意したので、それぞれを比較したかったのですが、作業途中で わからなくなってしまい、タグでも付けておけばと後悔。
違いとして覚えているのは、カカオマス・オンリーだと油脂が多めに浮いていたな……というくらい。
第一段階の50℃
50℃にもなると、普通に溶けています。
さらさらと流れる感じの溶け具合でした。
第二段階の25~26℃と、第三段階の30~31℃
次は、25~26℃まで冷やします。
しばらく、キッチンのテーブルの上に放置していましたが、思ったほど下がっていきません。
冷蔵庫に入れて数分後、測ってみたら25℃でした。
問題は、この後です。30~31℃まで再加熱し、その状態を数分ほど維持しなくては いけません。
湯せんでやるには、この“維持”が難しい。
「お湯の中に放置すれば」と思い、さっきまで沸騰していたお湯を測ったら34℃。そこにガラス容器を投入しても、チョコレートの温度は上がらず。
再度、お湯を沸かして43℃くらいにしたところで、ガラス容器内のチョコレートの温度が、31~32℃になりました。
その状態で数分ほど放置、また温度が下がったら再加熱して放置。たぶん、それを5~6分くらい。
さらさらしていたチョコレートに、とろみが出るように……。写真 右上のように、糸が引く感じの粘着性が生まれました。
型入れ
第四段階の温度維持が終わったところで、チョコレート・モールドへ流し込みました。
この作業が、一番 楽しい作業だったかも……。
そこそこカカオマスを使った気でいましたが、大半がガラス容器に付いてしまったので、型に流し込めた分量は写真の通り。
最後は、1個分になるか微妙な量だったので、アーモンド入りを1つ用意することに。
固まったチョコレート
第五段階は「10℃程度まで下げる」ですが、そのくらいになると温度計が使えません。固体になるので……。
室温で10℃まで下げるのは厳しいと判断し、冷蔵庫の中に入れました。
その後、固まったのを確かめ、廊下にある木製のタンスの中へ……。
普段、コーヒー豆を保存しておくのに使っているタンスです。サイズは、大人1人分くらい。
冬場なので、第六段階の「15℃前後の保存温度に設定」の代わりになれば……。そう期待しての場所チョイスでした。
で、結果が写真のもの。少しチョコが余ったので、クルミにかけたのも写っています。
型から出したチョコレート
型の裏から押し出せば、チョコの大部分が外れますが、真ん中にある円や四角い箇所は、モールドにくっついて取れないことも……。
そんなときは、手で取り出します。固くなっているとはいえ、触るとベタつきますね。手のぬくもりで、溶けているのかも。
型から出したチョコレートは、写真の通りです。
前に使ったときもそうでしたが、気泡が入ったであろう箇所が、小さな穴になっています。こういうのは、流し込んだ後に かき混ぜて、潰せばいいんですかね?
そういや、チョコレートの製造工程で大事な「攪拌」のことを忘れていました。
チョコレートの切断面と感想
溶かして固めただけなので、味はカカオマスのまま。
少しくらい他のチョコレートを入れたところで、圧倒的にカカオマス。苦くて、口の中で張り付く感じは健在。
まぁ、多少は甘いのがあるなぁ~くらいには思いましたけど。
どのチョコがカカオマス・オンリーで、カラクやアラグアニ入りかは わからなくなったので、何がどうだったかは書けませんが……。
これらを続けて食べた後に言えることは、「砂糖を入れるべきだった」ということくらいですね。
「売ってるものが一番」